気になる子どもの教育費。お金のプロに聞いてきた!
子どもの教育費
将来の家計を考える上で外せないのが、子どもの教育費。子どもには希望する進路に進んでほしい、大学までは行かせたいなど漠然と思っているけれど、「いくらかかるのか」、「どう準備すればいいのか」、イメージがつかないという人も多いのではないでしょう…
結婚や出産を機に退職し、子どもが小さいうちはまだまだ働けないと考える人は多いかもしれません。しかし、そういった中で、家計に不安を感じている人が多いのも事実です。働くママになろうと考え始めたら、復職は早ければ早いほど有利です。
今すぐ復職したほうがいい理由やそのために必要な心構えなどについて、「十人十色の働き方を、みんなでつくるプロジェクト」iction!(イクション)の事務局長 二葉美智子が、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんにお話を伺いました。
イクション事務局長 二葉(二): 出産を機に仕事を辞める女性は、今も5割近くいます(※1)。そして育児や子育てをしていると、毎日がとても忙しく、仕事のことなど考える余裕もないまま、あっという間に1年、2年と過ぎていきます。パートナーも「無理をして働かなくてもいいよ」と言ってくれたりするので、しだいに家事と育児に手いっぱいな毎日が当たり前になっていくのかもしれません。
氏家さん(氏): 本当にそういう人、そういうご家庭は多いですよね。しかし、それでいいのでしょうか? ファイナンシャルプランナーとして、たくさんの家計相談に乗ってきましたが、住宅ローン、子どもの教育費、老後資金まで考えると、専業主婦家庭は資金不足になるケースが多いです。長期的な家計のシミュレーションをしないまま、子どもを私立幼稚園に通わせたり、たくさんの習い事に行かせたりして、支出は増える一方。それでもお子さんが小さいうちは、目先の家計は何とかなっているのですが、そうして復職を先延ばしにしているうちに教育費のピークに差しかかって、家計は一気に厳しくなります。
二: とはいえ、復職しようとすると、いろいろな壁を感じることもあるのでは?
氏: そうですね。まず就職セミナーや面接に行きたいと思っても、子どもの預け先がなかなか見つからず、つらい思いをするといったケースもよくあります。そして、やっとの思いで行った面接で「子どもが小さい」と伝えると、「大丈夫なの?」「本当に働けるの?」といった否定的な質問をされ、自信がなくなることも。さらに、パートナーの働くことへの理解がなく、「え? 働くの?」という感じで他人ごとのように扱われると、何のために働くのか、わからなくなってしまうといったことも多いと思います。
二: 確かに。せっかく本人がやる気を出しても、こういったことで出鼻をくじかれると、二の足を踏んでしまうかもしれませんね。
氏: そんなときはパートナーを味方につけましょう。共働き家庭は、目先のことだけを考えると、苦労が絶えず大変なことが多いかもしれません。ですが人生の後半で、共働きをしておいてよかったと言える日がくるはずです。夫婦共に働くことが家計の面でも必要不可欠だとお互いに実感し、「仕事も、家事や育児も、協力して一緒にやっていこう」と足並みをそろえられると、前向きな気持ちになれると思いますよ。
二: いろいろなハードルがあるなか、復職できる人とできない人の違いはどんなところにありますか?
氏: 復職できない人は、できない理由を延々とあげがちですね。「小1の壁」、「小4の壁」、中学受験、それが終わると年齢やブランクの長さ。働けない理由ってあげだしたら切りがなくて、全てがそろうタイミングなんて、じつはないのです。一方、復職できる人は、ささやかでも自分ができることをあげて、1歩ずつ進んでいきます。「今、何ができるか」に目を向けて、できることから始めてほしいですね。
二: 「専業主婦でいるほうが制度面でお得」という考えがありますね。働くとしても、扶養控除の範囲内で働きたいという人はまだまだ多いようですが、それについてはどうお考えですか?
氏: 扶養控除は、何かの事情でめいっぱい働けないときなど、収入が微妙なラインになる場合の判断材料でしかありません。復職したばかりで長時間働けない時期などは、扶養制度をかしこく使うとよいでしょう。しかし、年収150万円以上をめざせるなら、それ以上は稼げば稼ぐほど家計にとってプラスになるので、扶養の壁を越えたほうが長期的には得です。また扶養控除自体、今後制度が変わる、なくなるという可能性もあります。体が元気で働けるなら、扶養控除にこだわる必要はありません。
二: 復職して、新しいキャリアをいい形でスタートするためのアドバイスをいただけますか?
氏: 久しぶりの復職は勇気がいるものです。初めから気負わず、小さな一歩を踏み出すことが大切です。自宅から近い職場や、短時間から始められる仕事など、手軽なものから始めるといいでしょう。しかし、その一方で自分のやりがいや長期的な目標を見つけることも、ぜひ心がけてください。働くことに慣れてきたら「10年後、20年後にはこうなりたい」という夢を持ち、少しずつキャリアアップしながら、理想の仕事に近づいていけるといいですね。
※1 国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」(平成27年)より
氏家祥美さん
ファイナンシャルプランナー
女性のためのお金と仕事の相談室「ハートマネー」代表。女性活躍応援FPとして、働き方や夫婦・親子関係も含めたマネーアドバイスが好評。お金・仕事・時間のバランスのとれた幸福度の高い家計を追求。自身も2児の母。
二葉美智子
リクルート イクション事務局長
リクルートグループ横断プロジェクト「iction!(イクション)」の事務局長。
子どもの教育費や老後の資金、仕事と育児の両立方法や産後のキャリアと家計などなど、お金の悩みはつきないもの。お金のプロのファイナンシャルプランナー氏家さんに、お話を伺いました。
子どもの教育費
将来の家計を考える上で外せないのが、子どもの教育費。子どもには希望する進路に進んでほしい、大学までは行かせたいなど漠然と思っているけれど、「いくらかかるのか」、「どう準備すればいいのか」、イメージがつかないという人も多いのではないでしょう…
将来の家計を考える上で外せないのが、子どもの教育費。子どもには希望する進路に進んでほしい、大学までは行かせたいなど漠然と思っているけれど、「いくらかかるのか」、「どう準備すればいいのか」、イメージがつかないという人も多いのではないでしょう…
老後資金
老後のお金は心配だけど、まだ先のことだからと後回しにしていませんか。でも実は、早め早めに準備していくことが、老後の家計にはとっても大事なんです。どう準備すればよいのか、コツはあるのか、そんな気になる疑問について、お金のプロであるファイナン…
老後のお金は心配だけど、まだ先のことだからと後回しにしていませんか。でも実は、早め早めに準備していくことが、老後の家計にはとっても大事なんです。どう準備すればよいのか、コツはあるのか、そんな気になる疑問について、お金のプロであるファイナン…
お金×働き方①
「今の仕事を続けたいけれど、子どもを産んですぐに仕事に戻るのは無理…。」「仕事と育児の両立はたいへん…。」など、出産後の働き方に悩む女性は、まだまだたくさんいます。しかし、最初から無理と諦めて退職してしまうことは、大きなリスクになる可能性…
「今の仕事を続けたいけれど、子どもを産んですぐに仕事に戻るのは無理…。」「仕事と育児の両立はたいへん…。」など、出産後の働き方に悩む女性は、まだまだたくさんいます。しかし、最初から無理と諦めて退職してしまうことは、大きなリスクになる可能性…
この記事をシェアする